事例13どうすっぺ会(福島県富岡町・楢葉町)
ふくしま絆・交流ツアー 「福島の今を知る~施設見学&交流会」
10月25・26日と爽やかな秋晴れの中、福島県の県外避難者でつくる「どうすっぺ会」が中心となり、帰還・生活再建に向けた情報収集のための『ふくしま絆・交流ツアー』が実施されました。ツアーには首都圏で暮らす県外避難者30名が参加。2日目に、復興関連施設の見学と交流会のため、双葉郡の富岡町と楢葉町を訪問しました。
富岡町では、まず8月OPENしたばかりの体験型情報館『リプルンふくしま』を見学。震災時の原発事故で放射性物質に汚染された土壌や廃棄物の埋立処分の仕組みや進捗状況、安全対策などについて説明を受け、展示を見て回りました。
次に『特定廃棄物埋立処分施設』(富岡町)を訪れ、実際にトラックが廃棄物を運び込む様子等を見学しました。参加者からは「情報館の後に実際の処分場を見学でき良くわかった」「今後を考える参考になった」といった声が聞かれました。
その後、原発事故対応拠点としての役目を終え7月に再開したサッカー施設『Jヴィレッジ』(楢葉町)の展望室から、サッカー場や完成したばかりの全天候型練習場を眺めながら、職員から再開までの道のりや今後について話を聞きました。原発事故の対応車両が駐車場を埋めていたかつての風景はそこにはなく、目の前に広がる美しい緑のフィールドとその向こうに見える懐かしい故郷の海。再興し始めた故郷を肌で感じ、瞳を潤ます参加者もいました。
2日目の午後は、楢葉町の新たな生活拠点となっている「笑(えみ)ふるタウン」内に今夏開館した『みんなの交流館ならはCANvas』を訪れ、地元の婦人会や帰還した方などと交流、情報交換してひと時を過ごしました。
また、楢葉町役場の方から復興の状況や取組みについて話を伺ったほか、楢葉町婦人会の早川会長や、木戸川漁業協同組合のふ化場長 鈴木氏からも復興に向けた活動について聞きました。
鈴木氏によれば、鮭は稚魚を放流してから4年で戻ってくるそうで、震災から4年間放流できなかった為、震災前は7~10万匹もの遡上数を誇った木戸川の鮭も、今年は3000匹程度。しかし、「今戻ってきている鮭は、自分たちで命をつないで戻ってきてくれた自然の鮭。ぜひ川に来て力強く遡上する姿を見てほしい。鮭が多く戻ってくれば、人も多く楢葉町へ戻ってくると信じて、元の姿以上になるように頑張りたい」と語り、たいへん印象的でした。
参加した県外避難者からは、「若い人たちが頑張っているのを見て帰りたいと思った」「婦人会の皆さんの前向きな姿に勇気と希望をいただいた」「同級生と久しぶりに遭えて嬉しかった」などの感想が寄せられ、今後について考える一助となったようでした。
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<取材>
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