事例22ひろしま避難者の会「アスチカ」(広島県広島市)
コミュニティスペース たねまく広場
2019年9月20日(金)、ひろしま避難者の会「アスチカ」の施設を訪ねました。
今年の10月で7周年を迎えるひろしま避難者の会「アスチカ」は、東日本大震災の地震・津波および東京電力福島第一原発事故の影響で広島へ来た避難者が、この土地で生活の基盤や気持ちを整えたり、同じ思いの仲間を見つけたりしながら、避難生活を落ち着かせ、次のステップへ踏み出すことをサポートする当事者団体として設立されました。
また避難者であるアスチカ会員だけでなく、地域住民の方々も参加していて、広島の方との交流の場になるようにコミュニティスペースを「たねまく広場」と名付けたようです。
この日は、月一回神石高原町から新鮮なお野菜や物産を届けてくれる「お野菜の日」と、アスチカの会員で15年のキャリアを持つ鍼灸師による「鍼灸治療」が同時開催されました。
「お野菜の日」は毎月恒例となっていて、会員の方だけでなく、地域の方々にも絶賛されています。大きく育ったお野菜を使って「クッキングレッスン」を開催することもあります。野菜を届けてくれる支援者の方は、「毎回楽しみにしてくださってとても嬉しいです。笑顔をみると元気をもらいます。」とお話をしてくれました。
「鍼灸治療」も好評のイベントで、毎回予約者でいっぱいになるほどの人気です。鍼灸師の方がアスチカ会員ということもあり、普段の他愛もない会話から広島での生活の情報交換までと幅広くお話できることも人気の理由だと思いました。治療を受けに来ていた避難者の方は、「福島県より避難をしてきて、広島に来る前は、海外で教員の仕事をしていた。色々な方と接してきて、広島が良いと聞いて避難することを決めた。広島の方々は心暖かい人たちが多く、こちらに決めて本当に良かった。」とおっしゃっていました。お話を聞いている時も、避難者の方々や支援者の方々また地域の方々が楽しく会話をしている様子が見受けられました。
ひろしま避難者の会「アスチカ」の代表である三浦 綾さんは、「8年経った今でも広島に避難している方々が多くいる。避難者に寄り添いながら広島の地域住民とも交流を増やして助け合いながら生活をしていただきたい。」とおっしゃっていました。副代表の佐々木 紀子さんは、「これからもたねまく広場に多くの方々が交流できる場所にしていきたい。」と今後の活動における思いを伺いました。
<取材>
特定非営利活動法人医療ネットワーク支援センター
TEL : 03-6911-0582