事例21NPO法人 えひめ311(愛媛県松山市)
東日本大震災 追悼と復興を祈る盆踊り 東北・四国 心行交う 盆踊り大会
2019年8月20日(火) NPO法人えひめ311と盆踊り交流会実行委員会の共催で東日本大震災の追悼と復興を祈る盆踊り「東北・四国心行き交う盆踊り大会」が、愛媛県松山市の石手寺で開催されました。
NPO法人えひめ311は、東日本大震災をきっかけに福島県から愛媛県に避難した当事者たちが自主的に設立・運営している団体で、愛媛県を中心に四国全域で活動を行っています。
四国には、震災当初は600名を超える被災者が各地に避難していましたが、現在は約240名が残り、最も人数が多い愛媛県では107名が未だに避難生活を続けています。
“一人一人の心に寄り添い、共に課題を解決していくこと”をモットーに、NPO法人えひめ311は、避難者の相談窓口設置や情報発信、個別訪問、交流会などあらゆる角度からの支援を行ってきました。
そして、このような活動の1つとして今年4回目を迎える盆踊り交流会は、東日本大震災で愛媛県や四国に避難した方々と地域の住民が交流する事を目的として開催され、福島県南相馬市から訪れた講師をはじめ、たくさんの避難者や地域住民、学生ボランティアが集まり、境内はにぎわいを見せていました。
午後5時半過ぎから始まった盆踊りでは、多様な年齢層の避難者で構成された「盆踊り演奏班」が福島県民謡「相馬盆唄」を披露すると、大勢の参加者がやぐらの周りに踊りの輪を作りました。参加した地域住民からは、「とても有意義な経験でした。これからも福島の伝統文化や伝統芸能を伝承していってほしい」と応援の言葉もありました。
また、福島民謡「相馬盆唄」の後は、愛媛民謡「松山音頭」も引き続き披露され、伝統文化の交流を通じてお互いの絆を強める機会となりました。
最後にNPO法人えひめ311の代表 渡部寛志さんは、「この盆踊り交流会は、やぐらづくりなど地元の人の協力があってこそ開催ができている。東日本大震災から8年半。避難してきた子どもたちの中にはふるさとのことを知らない子もたくさんいる。もはや彼らにとっては福島をふるさとと呼べないかも知れない。ただ、このような機会を通じて少しでも福島の大切な文化を子どもたちに伝えたい。また、私たちが避難しているこの地域に根付かせたい。」と力強く語られました。
<取材>
特定非営利活動法人医療ネットワーク支援センター
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