事例19ふくしま子ども支援センター(運営:特定非営利活動法人ビーンズふくしま)(福島県郡山市)
あなたにもできることがある 誰もができるこどものこころの応急手当
2019年7月28日(日)、福島県郡山市にある「ミューカルがくと館」で、「福島県保健福祉部こども未来局児童家庭課」と「ふくしま子ども支援センター」による「あなたにもできることがある 誰もができるこどものこころの応急手当 ~子どものための心理的応急処置から学ぶ~」研修会が開催されました。
ふくしま子ども支援センターは、東日本大震災により被災した子どもの心のケアに関わって、福島県内及び県外へ避難している被災児童、保護者等への専門的支援を継続的かつ安定的に行うことを目的として設置された組織で、「特定非営利活動法人ビーンズふくしま」が福島県より委託を受け、児童の状況把握や支援ニーズのとりまとめ、被災した子どもおよび子育て家庭の支援に関する情報の収集および情報発信、被災児童、保護者及び支援者等への各種支援事業を行っています。
今回で6回目となるこの日の研修会は、「子どもやその家族へPFA(サイコロジカル ファーストエイド)を提供できるスキルと知識を身につけること」を目的として開催され、福島県内で働いている看護師や保健師、児童福祉士や保育士、養護教諭などの方々にご参加頂きました。PFAとは、大規模災害や、日常生活の中で子どもたちが遭遇するかもしれない事件や事故の直後に役立つ応急的な対応方法のガイドです。
「子どもたち(18歳未満)は危機的状況に陥った場合、大人とは異なる反応や考えを示す。全ての子どもが必要としているわけではないが、年齢別に必要とする支援が異なる」と今回の講師である福島県立医科大学 医学部災害こころの医学講座 精神保健福祉士 伊藤亜希子 先生と同大学 医学部神経精神医学講座 講師 後藤大介 先生は語っています。
グループワークとロールプレイングでは、子どもたちの年齢カテゴリーを4つ(0~3歳、4~6歳、7~12歳、13歳~)に分け、それぞれの年齢ではどういった反応をするのかについて学びました。この研修を通じて、子どもたちの反応に関係する要因には、年齢だけでなく発達段階やこれまでの経験なども挙げられることが分かり、支援する大人は、子どもたちのために何ができるのか、また心のケアをできる環境が整っているのかなどを今後追及していくべきだということも分かりました。
参加者からは「研修会に参加して、意識して子どもたちを見ることができるようになった」「自分たちで解決するのではなく、必要に応じた機関に繋げることも大切だということが分かった」などの声を頂きました。
主催側のふくしま子ども支援センター 小関翼さんは、「この研修会を通じて災害や緊急時に目が行き届きにくい子どもの様子にいち早く気付いて、必要に応じたアプローチをしてほしい。今後もこのような研修会を開催し、子どもたちの"心のケア"を広めて行きたい」とおっしゃっていました。
<参考情報>
ふくしま子ども支援センター ホームページ
http://ccscd.beans-fukushima.or.jp/
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン ホームページ
「子どものための心理的応急処置」
https://www.savechildren.or.jp/lp/pfa/
<取材>
特定非営利活動法人医療ネットワーク支援センター
TEL : 03-6911-0582